ウィーンの散歩&ウィーンのカフェ

音楽、美術、建築、文学、カフェ、ケーキ、グルメ……ウィーン(オーストリアの首都)の魅力は一口では言い表わせない…。いろいろな魅力に出会えるよう…歩いてみよう…ウィーンの街を。そして…歩き疲れたら…ウィーンのカフェで…ひと休み…。

歩いてみよう…ウィーンの街を。
そして…歩き疲れたら…ウィーンのカフェで…一休み…。

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(公開プローベ・プログラム…)

2023年10月20日(金)午前11:00から13:30ごろまで…トゥガン・ソヒエフ指揮ウィーン・フィルの公開プローベ(リハーサル)を鑑賞…。

この日の前半は…サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番…。
ピアノ・ソロには…中国生まれの神童として、若くしてアメリカに渡り…
今や世界を股にかけ…活躍するランランが迎えられた…。
11月に予定されるウィーン・フィルのアジア・ツァー(台湾、韓国、日本)にも同行する予定だ…。

我々が…会場に到着した時には…ウィーン・フィルの一部団員に混じって…
スカイブルーのスウェットにデニム、白いスニーカー姿のランランが…
もう既に…ピアノに向かって指慣らしを始めていた…。
時折…手を振ったり…サムアップしたり…ファン・サービスに興じる…リラックスした姿が…他のクラシック演奏家にはあまり見られないものなので…印象に残った…。


開始時間となり…ウィーン・フィルの団員も全員揃い…指揮者のソヒエフが登場…。
あらためて…ランランも
立ち上がり客席に向かって一礼…。

それに対して…聴衆から盛んな拍手が起こる…。
ランランの知名度と人気の高さを示している感じだ…。

この日のプローベは…各楽章は通しで演奏するが…
楽章が終わるたびに…指揮者ソヒエフが気になった箇所について…ウィーン・フィル、ランランに対して細かいリクエストが出され…部分毎におさらいをするスタイルで行われた…。

ソヒエフの指示は…公開プローベで見る限り…他の一流指揮者に比べても…かなり細かいもので…きめ細かく音楽を創り上げる姿が
…とても印象的だった…。

ランランのピアノ演奏は…美しい音色ながら…音量もたっぷり…。
強く打鍵しても…弾力のある心地良い響きとなるので…
聴いていて…とても気持ちが良い…。
美しい音に聴き惚れる感じだ…。

ソヒエフの細かい注文にも…柔軟に即対応していて…
この曲を自由自在に弾きこなしている感じがした…。
そんなところにも…ランランの高度なテクニックと秀逸な対応力が感じられた…。

そして…ウィーン・フィルの豊かな表現力と芳醇な響きの中でも…
美しいピアノ・ソロを歌い上げていて…抜群の存在感を示していた…。

さすが…当代を代表するピアニストとしての…素晴らしい演奏を聴かせてくれた…。

ランランとソヒエフ&ウィーン・フィルのプローベに立ち会うことができて…
本当に面白かった…。

豊かな時間を…彼らと共有したような気分を味わうことができた…。


ランランは…プローベ終了後…ピアノの前に座ったまま…調律師にいろいろとリクエストしていた様子…。
その間…ピアノ付近のステージ下に若いファンが何人も群がり…
調律師との打ち合わせを済ましたランランに…一緒にスマホ写真をせがむことに…。
ランランは気さくに応じ…それらファンの求めをテキパキとこなしていた…。

5歳から活躍を続けるランランもすでに40歳代に入っているが…長年米国を中心に活躍していることもあり…現代的なスターといった雰囲気を感じた…。


休憩の後は…ソヒエフ指揮ウィーン・フィルによる…プロコフィエフの交響曲第5番のプローベ(リハーサル)…。

ロシア出身のソヒエフにとっては…お得意のロシアの作品でもあり…
こちらでも…微に入り細に入り…細かな指示が…各楽章が終わるごとに出されていた…。

真剣な音楽創りの場に立ち会えることは貴重で…とてもワクワクする…。
こちらも…刺激を受けて…クリエイティヴな空気を吸っているようで…元気が出てくる…。

そんな気持ちにさせてくれる…公開プローベを鑑賞するのが…とても好きだ…。





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(夜間…ライトアップされた…ヴィーナー・ムジークフェライン…)

2023年10月19日(木)19:30よりヴィーナー・ムジークフェライン(ウィーン楽友協会)大ホールにて…トゥガン・ソヒエフ指揮ウィーン・フィル演奏会を鑑賞…。

この日のプログラムはベートーヴェン&ブラームス…。
時代は異なるが…ウィーンで大活躍した…二人の大作曲家の作品が取り上げられた…。

先ず前半は…ベートーヴェンの交響曲第4番…。
かつて…シューマンがこの曲を…
《2人の北欧神話の巨人(交響曲第3番『英雄』と交響曲第5番『運命』を指す)に挟まれたギリシアの乙女…》と評したが…
第4交響曲の特徴をよく表す表現だと思う…。

基本的に明るく陽気な雰囲気のもと…躍動感に満ちあふれる名曲…。
その一方で…優雅さを失うことがない…。
そこが…素敵だ…。

同時期に作曲されたピアノ協奏曲第4番(他にコリオラン序曲も)とともに…
ウィーンにあるロプコヴィッツ侯爵邸での私的演奏会に於いて…
ベートーヴェン自身の指揮で
初演された…。

奇しくも共に第4番となった交響曲とピアノ協奏曲…
両者には相通じるものが感じられる…。
ベートーヴェンの…ほとばしる感性のひらめき…躍動感が…最高潮に達している…。
そう感じないではいられない…。
どちらも…ともに…大好きな曲である…。

この日のソヒエフ指揮のウィーン・フィルの演奏は…
のびやかな美しい音色…豊かな表現力に溢れ…
とても素晴らしかった…。
特に…第4楽章の躍動感は…忘れられない名演だった…。

休憩の後は…ブラームスの交響曲第1番…。

ブラームスの代表作の一つに必ず挙げられる名曲だ…。
着想から完成までに約21年を要したとされる…。
ベートーヴェンの偉大な9つの交響曲を強く意識したために…
完成までに長い…長い…時間がかかったと…伝えられている…。

長い時間を要して作曲されたが…
現在に至るまで…長く愛されているのも…また事実だ…。

ソヒエフ指揮のウィーン・フィルは…内容が濃いこの名曲を…
微に入り細に入り…精緻に仕上げていた…。
しかも…曲の構成美を明確に浮き彫りにする…名演…。

冒頭では…絶望的な深い闇を表現したかと思えば…
第二楽章等では…叙情的な…味わい深い世界を…表現し…
フィナーレでは…歓喜に満ちた…魂の叫びを…
高らかに…奏でて…魅せた…。

この名曲を…たっぷり…堪能した…。
素晴らしい演奏だった…。

余談になるが…
この週のウィーンの気候は…それまでの季節外れの暖かい気候が一変…。
突然冷え込んできて…一気に…秋の深まりを感じることになった…。

突然深まった…ウィーンの秋に…
この夜の…ブラームスの名演が…ぴったり…フィットした…。

素直に…そう思った…。






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新春恒例の…ウィーン・フィル…ニューイヤーコンサート…
2020年1月1日は…アンドリス・ネルソンスの指揮で予定されている…

ネルソンスは…現在非常に注目されている指揮者の一人…

これまでに…聴いた中で…
ウィーン・フィルを指揮したベートーヴェン交響曲の演奏が素晴らしかったので…
特に…記憶に焼き付いている指揮者なんだ…

クラシック音楽の本流の…ど真ん中…といえる…
モーツァルトやベートーヴェン…ブラームス…といった大作曲家の作品を演奏して…
鮮烈に記憶に残る指揮者というのは…そうたくさんはいない…

一番印象に残っているのは…
ちょっと前になるんだけれど…
2017年10月13日…

ヴィーナー・ムジークフェライン(ウィーン楽友協会)で…
その日の曲目は…前半が…ベートーヴェンの交響曲第8番…
休憩(パウゼ)をはさんで後半が…やはりベートーヴェンの…交響曲第7番…

この日の演奏で…特別に素晴らしかったのが…
後半の…ベートーヴェン交響曲第7番…

ワーグナーが…『舞踏の聖化』と称賛した…ベートーヴェン中期の…傑作のひとつ…
バレエ公演でも…よく取り上げられる…リズム性…躍動性が…素晴らしい曲だ…

ネルソンスもまた…抜群のリズム感…躍動感で…
ウィーン・フィルに…強烈な刺激を…これでもかぁ~…という感じで…与え続け…

めったに聴くことができない…
特別な霊感を感じさせる…
感動的な…響きを…ひきだして…みせた…

ベートーヴェンの演奏に関して…まさに「本家」として…
特別な経験を積んできた…このオーケストラを…
いつになく…本気にさせた…

…魂を揺さぶるような響き…
…そんな言葉が…ふさわしかった…

今でも…鮮明に記憶に残っている…超名演だった…


ちょっと…不思議な…魅力にあふれた指揮者…ネルソンス…

ニューイヤーコンサートで…
どんな風に…ウィンナーワルツを…演奏するんだろう…

とても…気になる…

…楽しみだね…







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